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床下換気と床下防湿ってなに?重要性と法律での義務を解説!
住宅を検討するとき、間取りや建物の建築構造、外壁や屋根材についてはよく話題に上りますが、基礎のことを気にする方は少ないかもしれません。
けれど、床下換気と床下防湿は、住む人の健康と建物の耐久性に大きく関わります。
床下の換気や防湿対策が行われていないと、湿気で床がカビたりシロアリが発生したりすることも……。
今回は、床下換気と床下防湿の重要性について解説していきます。
Contents
床下換気と床下防湿はどうして必要なの?
住宅の床下換気、床下防湿対策をすることは、主に以下2つの目的があります。
- 地面からの湿気による床組みの腐食を防ぐ
- シロアリ被害を防ぐ
それぞれ解説していきましょう。
地面からの湿気による床組みの腐食を防ぐ
木造住宅では、基礎が出来上がると、その上に床組みが施工されます。
床組みとは、床を支える木材の骨組みのことです。土台、大引き、根太という部材で構成されています。
また、床組みと基礎の間にできる空間を、床下(ゆかした)といいます。
床下は、床組みができあがると建物の下に閉じ込められてしまう空間です。
けれど地面からは湿気が上がってくるので、床下に空気の通り道がないと、湿気の逃げ場がなくなってしまいます。
湿気の多い状態が続くと、床組の腐食やカビの発生が起こることも…。
このように住宅の耐久性と住む人の健康に関わるので、床下を適切な環境に保つことは重要です。
そのため、建築基準法や品確法などの法律では、床下換気や床下防湿についての措置が義務付けられています。
シロアリ被害を防ぐ
また、床下換気と床下防湿の措置は、シロアリからの被害を防ぐためにも重要です。
シロアリは温度・湿気・栄養分の条件がそろったところに現れます。
法律を守ることは、建物の腐食を防ぐだけでなく、同時にシロアリの出現を抑えられます。
床下換気と床下防湿は法律で義務付けられている
ここからは、建築基準法で義務付けられた規定をみていきましょう。
建築基準法では、住宅が地面からの水蒸気によって腐食しないよう、以下のような規定が定められています。
一 床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とすること。
二 外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに、面積300㎠以上の換気孔を設け、これにねずみ侵入を防ぐ設備をすること。
引用:建築基準法施行令 第22条(居室の床の高さ及び防湿方法)より
つまり、湿気が上がってくる地面から一定の高さをとり、床下には換気口をつけましょうという法令です。
けれど、地面をコンクリートを覆う(ベタ基礎)、または防湿シートなどで床下防湿の施工を行っている場合はこの限りではありません。
床下換気に用いられる基礎パッキン工法
現代の住宅では主に基礎パッキン工法で床下換気が行われています。
基礎パッキンとは、基礎と土台の間、一面に敷く通気部材のこと。
この基礎パッキンが施工された方法を「基礎パッキン工法」といいます。
コンクリートは、床下換気口のような穴を作ると、角から欠けや浸食が起こりやすくなります。
そのため、床下換気口を設けるよりも基礎パッキン工法のほうが、耐久性の高い基礎のコンクリートを作ることができます。
床下の換気性能とコンクリートの耐久性が向上することから、住宅建築では、それまで一般的だった床下換気口よりも、基礎パッキン工法に主流が変化しています。
床下防湿のコンクリートと防湿シート
床下防湿の対策は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律の略称)で一定の基準以上の建築が行われるよう定められています。
品確法では、以下の2つのいずれかが義務付けられています。
- 防湿フィルムを床下全面に敷き込む
- 厚み60mmのコンクリートを床下全面に設ける
つまり、床下には、防湿シートを敷きこむか、防湿コンクリートを敷き込んで、防湿対策を取ることが法律で決まっているのです。
ベタ基礎は床下防湿対策にも有効
ベタ基礎とは、地面の下に一面鉄筋コンクリートを施工する工法で、昨今の住宅で取り入れられている基礎工法です。
一般的に、ベタ基礎の鉄筋コンクリートは、厚み120〜150mm。
つまりベタ基礎であれば、品確法で定められた厚み60mm以上のコンクリートを敷きこむという条件を満たします。
一方で、布基礎の防湿対策が行われていないとは限りません。
布基礎でも、基礎の間に防湿コンクリートを施工する、防湿フィルムを敷きこむなどの方法で防湿対策が行われている場合が多いでしょう。
まとめ
今回は、住宅の基礎と床下の構造についてご紹介しました。
住まいを検討するときに、基礎の中や構造まで重要視してみる方は少ないかもしれません。
けれど、住宅を長持ちさせ、住む人の健康を守るために、床下換気と床下防湿はとても大切です。
施工会社を選ぶときには、床下や基礎の構造についても信頼が置ける会社を選ぶことをおすすめします。
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