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準耐火構造について知りたい。耐火・防火性能の違いや基準を解説
「30分」「45分」「1時間」…準耐火構造の時間の意味
万が一の火災の際、燃えさかる炎のなかでも家が構造を保ち、消火活動に間に合うように作られた家が「火災に強い家」で、これを準耐火建築物と呼びます。
法令上では「30分準耐火」「45分準耐火」「1時間準耐火」と分けられて準耐火構造の建築物を認定しています。
表示された時間は、火災が起きたときにどれだけ家の構造を維持できるかを示したもの。
今回は、それぞれの準耐火に関する基本的な構造から認定基準までを確認していきましょう。
準耐火構造とは?基本的な基準を紹介
火災に強い家=準耐火建築物には、燃えしろ設計と呼ばれる太い部材が使われたり、柱などの部材を延焼しにくい石膏ボードなどの素材で覆う方法が用いられます。
各構造部にこのような「準耐火構造」が採用されるのですが、柱や床、耐力壁、梁などに1時間分の耐火・防火性能があれば「1時間準耐火建築物」となります。
これによって、建物は構造を1時間保てることが認定されます。
同じように、30分の耐火・防火性能では「30分準耐火建築物」、45分では「45分準耐火建築物」です。
ちなみにこれらの耐火建築物の基準は、どこに何階建ての家を建てるのかにも関わってきます。
「45分準耐火建築物」は防火地域にある2階建て木造住宅、準防火地域にある3階建ての建物に要求される基準です。
また「1時間準耐火建築物」は、主に3階建て以上の建築物に求められます。
なお、30分以上の準耐火構造が求められる建築物でも、屋根や階段などには30分の耐火・防火性能でOKといったように条件が緩和されます。
準耐火構造の違いとほかの火災リスク
「30分準耐火」「45分準耐火」「1時間準耐火」、それぞれの準耐火構造に記された時間は、延焼中にどれだけ建物が構造を保てるかを示していることがわかりましたね。
建物火災についてのデータを確認すると、平成21年の統計では40分以内に鎮火する火災は全体の約50%、1時間以内に鎮火するものは約66%なのだとか。
つまり、1時間の耐火性能は家づくりで防火・耐火を考える際にひとつのポイントといえますね。
ちなみに、ここまでは「準耐火構造」の話でしたが、「耐火構造」は消火されても最後まで建物が崩れ落ちずに保たれることが必要です。
さらに家の崩壊を防ぐことも重要ですが、部屋から部屋へ燃え広がる「燃え抜け」を避けるなど、火災リスクに対してはさまざまなポイントがあるので、家を建てる際には意識しておくとよいでしょう。
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