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2025.11.21
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福岡の土地探しはハザードマップから|災害リスクの見方・エリア別注意点・安全な家づくり完全ガイド

福岡でのマイホーム計画、夢が膨らむ一方で、こんな不安はありませんか。

「検討しているこの土地、災害は本当に大丈夫だろうか?」

一生に一度の買い物で、後悔だけはしたくない

近年では全国で自然災害が頻発するニュースを目にすることも多く、ご家族の安全を第一に考えるのは当然のことです。

この記事では、そんな福岡で土地探しを始めたあなたのために、災害リスクを正しく知り、家族と資産を守るための「ハザードマップ」活用術を専門家の視点から徹底解説します。

この記事を読めば、ハザードマップの正しい見方から福岡のエリア別リスク、そして万が一の対策まで、土地選びに必要な知識がすべて分かります。

漠然とした不安を解消し、確信を持って理想の土地を選びましょう。

 

まずは基本から。福岡の土地選びに必須のハザードマップとは?

ハザードマップの文字

「ハザードマップ」という言葉は聞いたことがあっても、具体的に何が書かれているのか、どう見ればよいのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

ハザードマップとは、いわば「土地の災害リスク成績表」のようなものです。

大雨による洪水や土砂災害、地震といった自然災害が発生した際に、どこにどのような危険があるのか、どこへ避難すれば安全なのかを地図上に示したものを指します。

福岡県や福岡市などの各自治体が作成・公開しており、安全な土地選びを行うための第一歩として、必ず確認すべき重要な情報です。

福岡でチェックすべき5種類のハザードマップ

福岡県でマイホームを建てる際に、特に確認しておきたいハザードマップは主に以下の5種類です。

災害リスクをしっかり理解しながら、土地の安全性をいろいろな角度から確認してみましょう。

  • 洪水ハザードマップ
    大雨によって河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域や深さを示します。特に注意すべきエリアは筑後川、遠賀川、那珂川、多々良川などの大きな川の周辺地域です。
  • 土砂災害ハザードマップ
    がけ崩れ、土石流、地すべりなどの土砂災害の危険性が高い区域を示します。特に注意すべきエリアは山間部や丘陵地、傾斜地。(例:早良区、南区の一部)です。
  • 地震ハザードマップ
    想定される地震が発生した際の揺れの強さ(震度)や、液状化現象の危険度を示します。特に注意すべきエリアは警固断層帯の周辺、博多湾沿岸部などです。
  • 津波ハザードマップ
    大きな地震などによって津波が発生した場合に浸水が想定される区域や高さを示します。特に注意すべきエリアは博多湾、玄界灘に面した沿岸地域です。
  • 高潮ハザードマップ
    台風などによって海面が上昇し、海水が陸地に流れ込む高潮の浸水想定区域を示します。特に注意すべきエリアは博多湾、玄界灘に面した標高の低い沿岸地域です。

これらのマップを複合的に見ることで、その土地が持つ災害リスクの全体像を把握できます。

スマホで簡単!ハザードマップの入手・確認方法

ハザードマップは、専門家でなくても誰でも簡単に確認することができます。

最も手軽なのは、国土交通省が提供するポータルサイトを利用する方法です。

1. 「ハザードマップポータルサイト」にアクセスする

まずは、お使いのスマートフォンやパソコンで検索し、サイトを開きます。

2.「重ねるハザードマップ」を選択する

洪水、土砂災害、津波など、様々な災害リスクを地図上で一度に確認できるため非常に便利です。

3.住所を入力するか、地図から場所を選ぶ

検討している土地の住所を入力したり、地図を動かして場所を指定したりします。これだけで、その地点の災害リスクが色分けされて表示されます。

 

各市町村のウェブサイトでも、より詳細なPDF形式のハザードマップが公開されている場合があります。

ポータルサイトとあわせて確認することで、より深く土地のリスクを理解できます。

 

【データで徹底比較】福岡市のエリア別災害リスクと土地価格への影響

riskと書かれたブロック

ハザードマップで示される災害リスクは、土地の資産価値、つまり価格にも影響を与えます。

ここでは、福岡市およびその近郊の主要エリアについて、具体的な災害リスクと土地価格への影響をデータに基づいて比較します。

「このエリアは安全?」「リスクがあると価格はどれくらい変わるの?」といった疑問にお答えします。

福岡市博多区

  • 主な災害リスク:洪水(那珂川沿い)、地震(警固断層)、液状化
  • 土地価格への影響:浸水リスク地域:5%〜-10% ※ただし博多駅周辺など利便性の高い場所では影響は限定的。
  • 補足:2005年の西方沖地震後、液状化対策の有無で価格差が生じた事例があります。地盤改良済みの物件は未対策に比べ約3%高く取引される傾向が見られます。

福岡市中央区

  • 主な災害リスク:地震(警固断層)
  • 土地価格への影響:高台エリアの需要増により価格が上昇傾向。
  • 補足:大濠公園周辺の高台エリアでは、マンション価格が平均で15%上昇したデータもあります。水害を避けたい層からの需要が集まっています。

福岡市早良区

  • 主な災害リスク:土砂災害(高取・東入部など)
  • 土地価格への影響:土砂災害警戒区域内は、周辺相場より約7%程度低い価格で取引される傾向があります。
  • 補足:傾斜が急な場所や過去に災害があった場所では、さらに価格が下がる可能性があります。購入前に造成履歴の確認が重要です。

福岡市西区

  • 主な災害リスク:液状化(沿岸部)
  • 土地価格への影響:液状化リスク地域は地盤改良コストが上乗せされるため、建築費用が高くなる傾向。
  • 補足:姪浜エリアでは、液状化対策済みのマンションが未対策のものより約5%程度高く取引されたというデータがあります。

福岡市南区

  • 主な災害リスク:土砂災害(長丘など)
  • 土地価格への影響:土砂災害警戒区域内は、周辺相場より約5%程度低い価格で取引される傾向があります。
  • 補足:利便性が高いエリアでは価格の下落は限定的ですが、宅地造成等規制法に関する確認が必要です。

福岡市東区

  • 主な災害リスク:洪水(多々良川沿い)
  • 土地価格への影響:浸水想定区域内は、周辺相場より約3%程度低い価格で取引される傾向があります。
  • 補足:近年の河川改修工事によりリスクが低減され、価格差は縮小傾向にあります。

糸島市

  • 主な災害リスク:津波(沿岸部)
  • 土地価格への影響:津波浸水想定区域内は、周辺相場より約10%低い価格で取引される傾向があります。
  • 補足:特に海岸線に近い土地は価格への影響が大きくなりますが、海の見える景観を重視する需要も存在します。

※価格変動の数値はあくまで一般的な傾向を示すものであり、個別の土地の条件によって異なります。

【洪水・内水氾濫】那珂川、多々良川周辺エリア(博多区・東区など)

那珂川の風景

博多区や東区を流れる那珂川や多々良川の周辺は、市の中心部に近く利便性が高い一方で、洪水や内水氾濫のリスクを考慮する必要があります。

ハザードマップでは、河川から離れた場所でも、水路や下水道の排水能力を超えた場合に発生する「内水氾濫」によって浸水する可能性が示されていることがあります。

データによると、浸水リスクのある地域では土地価格が周辺に比べて3%〜10%程度低い傾向が見られます。

ただし、近年は河川改修や調整池の整備が進んでいるため、最新のハザードマップと自治体の防災計画をあわせて確認することが重要です。

【地震(警固断層)・液状化】沿岸部・中心部エリア(中央区・西区など)

福岡市の中心部を縦断する警固断層帯は、大きな地震を引き起こす可能性が指摘されています。

特に中央区や博多区などの中心市街地では、強い揺れに備える必要があります。

また、西区の姪浜や愛宕といった博多湾沿岸部は、埋立地も多く、地震の揺れによって液状化現象が発生するリスクがあります。

液状化対策が施されているかどうかは、土地や建物の資産価値に大きく影響し、データによれば約5%程度の価格差が生じることもあります。

【土砂災害】山沿い・丘陵地エリア(早良区・南区・太宰府市など)

油山や脊振山系に連なる早良区や南区、また太宰府市などのエリアでは、傾斜地を造成した住宅地も多く、土砂災害のリスクに注意が必要です。

ハザードマップで「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」や「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に指定されている土地は、建築に制限がかかる場合もあります。

これらの区域に指定されている土地は、指定されていない土地と比較して5%〜7%程度価格が低い傾向にあります。

安全性を確保するためには、擁壁(ようへき)の状態を現地でしっかり確認することが不可欠です。

 

ハザードマップだけでは不十分!安全な土地を見抜く3つの現地チェック術

指を立てた作業着の男性

ハザードマップは非常に優れたツールですが、それだけで土地の安全性を100%判断できるわけではありません。

地図上の情報と現地の状況を自分の目で照らし合わせることで、より深くリスクを理解し、後悔のない土地選びができます。

ここでは、専門家でなくても実践できる、安全な土地を見抜くための3つの現地チェック術をご紹介します。

① 土地の高低差と「不自然な壁」を歩いて確認する

現地を訪れたら、必ず検討している土地とその周辺を歩いてみてください。

地図では分からない微妙な高低差や、土地の状態が見えてきます。

  • 周囲との高低差
    周りの道路や隣地より明らかに低い土地は、雨水が集まりやすく浸水のリスクが高まります。
  • 擁壁(ようへき)の状態
    土地を支えるコンクリートの壁に、ひび割れや膨らみがないか確認しましょう。
  • 擁壁の新旧
    周囲は古い擁壁なのに、その土地だけ新しい擁壁になっている場合、過去に崩れた履歴がある可能性も考えられます。
  • 水はけの様子
    道路の側溝が整備されているか、雨が降った後に水たまりができていないかなどもチェックポイントです。

② 地名や古地図から土地の「履歴」を読み解く

土地の地名には、その土地の成り立ちや過去の姿を示すヒントが隠されていることがあります。

例えば、「池」「沼」「川」「谷」「窪」といった水に関連する漢字が使われている地名は、元々が湿地や川沿いであった可能性があり、地盤が軟弱な場合があります。

また、地域の図書館や国土地理院のウェブサイトで古地図を調べるのも有効な方法です。

過去に田んぼや沼地だった場所を埋め立てて造成した土地は、地震の際に液状化しやすい傾向があります。

土地の「履歴書」を調べることで、地図上には現れないリスクを発見できるかもしれません。

 

もしもに備える。ハザードマップで「リスクあり」の土地でも家は建てられる?

クエスチョンマーク

土地探しをしていると、立地や価格は理想的なのに、ハザードマップで浸水想定区域に入っている、というケースに直面することがあります。

しかし、「リスクあり=建築不可」と諦めるのはまだ早いかもしれません。

土地の災害リスクを正しく理解し、それに応じた適切な対策を講じることで、安全で快適な家を建てることは十分に可能です。

ここでは、リスクと上手に付き合うための具体的な方法をご紹介します。

土地と建物でできるハード対策(地盤改良・高基礎・耐震等級)

災害リスクを物理的に軽減するのが「ハード対策」です。

土地の特性に合わせて、注文住宅ならではの工夫を取り入れることができます。

  • 盛土(もりど)
    土地全体を周囲より高く造成することで、浸水のリスクを軽減します。

    • 対象となる災害リスク: 洪水・内水氾濫、高潮
    • 費用の目安: 土地の面積や高さにより変動(数十万円~数百万円)
  • 高基礎
    土地全体を周囲より高く造成することで、浸水のリスクを軽減します。

    • 対象となる災害リスク: 洪水・内水氾濫、高潮
    • 費用の目安: 通常の基礎+30万円~100万円程度
  • 地盤改良工事
    軟弱な地盤にセメント系の固化材を注入するなどして、地盤の強度を高めます。

    • 対象となる災害リスク: 地震(液状化)
    • 費用の目安: 工法や規模により変動(50万円~200万円程度)
  • 耐震等級3の取得
    建築基準法で定められた耐震性の1.5倍の強度を持つ、最高ランクの耐震性能を確保します。

    • 対象となる災害リスク: 地震
    • 費用の目安: 設計・構造計算により変動(数十万円~)

これらの対策を組み合わせることで、ハザードマップ上のリスクを大幅に低減させることができます。

お金で備えるソフト対策(火災保険・地震保険)

物理的な対策(ハード対策)を万全にしても、想定を超える災害が起こる可能性はゼロではありません。

そこで重要になるのが、万が一の際の経済的な損害に備える「ソフト対策」、つまり保険です。

  • 火災保険の水災補償
    洪水や高潮、土砂崩れによる損害をカバーします。ハザードマップでリスクが示されているエリアでは、加入を強く推奨します。
  • 地震保険
    地震や噴火、これらによる津波を原因とする損害を補償します。火災保険とセットで加入する必要があります。

物理的な対策と経済的な備え、この両輪をそろえることで、安心して暮らせるマイホームが実現します。

 

福岡の土地探しからサポート。tattaの「災害に強い家づくり」

設計図

ここまでハザードマップの重要性や土地選びのポイントを解説してきましたが、「自分たちだけで判断するのは難しい」と感じる方も多いでしょう。

土地のリスク評価やそれに基づいた家づくりは、専門的な知識と経験が不可欠です。

私たちtattaでは、「暮らしを、奏でる。」をコンセプトに、お客様一人ひとりの理想の暮らしを実現する注文住宅を手がけています。

それはデザインや間取りだけでなく、「安全・安心」という暮らしの基盤から設計することを意味します。

土地探しからワンストップでサポートし、災害リスクを考慮した最適な家づくりをご提案します。

建築家が土地の個性を解読。デザインと安全性を両立する最適プラン

tattaの家づくりの最大の特長は、経験豊富な建築家と直接対話を重ねながら、あなただけの住まいを創り上げることです。

建築家がプロの視点で、ハザードマップの情報と現地の状況を総合的に判断します。

  • 土地のポテンシャルを最大限に
    例えば、少し傾斜のある土地でも、その形状を活かして水害に強い高基礎のガレージハウスを設計するなど、リスクを逆手に取ったプランニングが可能です。
  • 安全性と快適性の両立
    耐震等級3相当の頑強な構造を確保しつつ、パッシブ設計により自然の光や風を採り入れ、快適で省エネな暮らしを実現します。
  • ライフスタイルを形に
    ペットと安全に暮らすための工夫や、趣味を楽しむための空間づくりなど、土地の安全性という土台の上に、お客様の理想のライフスタイルを丁寧に描き出します。

土地の「個性」を読み解き、デザインと安全性を高いレベルで両立させる。

それが、tattaが建築家と共に行う家づくりです。

 

まとめ:正しい知識で、家族の未来を守る土地選びを

福岡でのマイホーム計画において、安全な土地を選ぶことは最も重要なステップの一つです。

ハザードマップは、決して不安を煽るためのものではありません。

それは、私たちが自然と共存していく上で、リスクを正しく理解し、賢く備えるための「羅針盤」です。

この記事でご紹介したポイントを参考に、まずはご自身でハザードマップを確認し、気になる土地を歩いてみてください。

その上で、土地選びや家づくりの専門家に相談することが、後悔のない選択への一番の近道です。

大切なご家族と資産を守るため、私たちと一緒に、最高の土地選びから理想の家づくりを始めませんか。

 

tattaでは、直接話し合いをしながら家づくりを進めることができるため、家づくりに関する様々な相談対応も可能です。 ぜひお気軽にご相談ください!